DIYこぼれ話
ゴム板とゴムホースの作り方

知ってる?「ゴム板」と「ゴムホース」の作り方

19

2019

Nov

一見地味で個性がないように思われていたゴム製品が、実は個性的なやつだった! ということは、こちらの記事で紹介しました。

ゴム製品について興味がある方はこちらをチェック

それから「ゴム製品」が気になっていた編集部員坂田が、「ゴムの作り方」を勉強してきましたので、紹介したいと思います!

クッキーの生地づくりみたい?ゴム板はこうして作られる

まずはゴム製品の基本となる「ゴム板」。工場内をお見せすることはできないので、イメージのイラストとともに紹介します。

ゴム板の作り方(配練・圧延・加硫機)
  1. 材料を混ぜ、バンパリーミキサーを使い練り合わせます。(配練)
  2. ローラーヘッドユニットを使い、厚み・幅を揃えます。(圧延)
    ※シート状に仕上がりますが、この段階では非常に弱いゴムです。
  3. 加硫機にかけます。(材料の中に含まれる硫黄に熱を加え分子を結合させることで、強度を増す工程)

 ※連続加硫機を使う場合→シート状のゴム板になります。
 ※直圧加硫機を使う場合→分厚いゴム板を作ることができます。

この後、ベタつきをなくすために材質、硬度、色調に合わせた表面処理を行う場合があります。1の作業の後に、「金型成型」を使って特殊な形のゴム製品を作ることもあります。(例:トラックの当たり止め、てつどう、船舶部品)

クッキーの生地を作っているみたいで、おもしろいですよね!

バームクーヘンみたい?ゴムホースはこうして作られる!

ゴムホースを作るときは、ゴム板を作るときと同様、配練→圧延を行います。その後、ホースの形に成形し、加硫缶に入れます。こちらもイラストとともにご紹介しましょう。

  1. 材料を混ぜ、バンバリーミキサーを使い練り合わせます。(配練)
  2. ローラーヘッドユニットを使い、厚み・幅を揃えます。(圧延)
    ※ゴム板と同じ工程
  3. マントル(鉄芯)にゴムを巻き付け、間に布やワイヤーなどを挟み、さらにゴムを巻き付けホース状にします。(ホース成形)
ホースの場合の作り方
ホースの場合
サクションホースの作り方
サクションホースの場合

1〜3の工程後、ホース状に成形したものを加硫缶に入れ、強度・復元力をもたせます。(加硫)

加硫缶に入れて強度・復元力をもたせる

ホースの形に成形するあたりは、まるでバームクーヘンづくりのようですよね。

サクションホースって何?

先ほど、突然「サクションホース」という言葉が飛び出しましたが、少し説明しますね。

ホースの役目には「押し出す」または「吸い上げる」の2種類があります。

「押し出す」のは一般的な役目で、それを担っているものは「ホース」と呼びますが、ちょっと特殊な「吸い上げる」役目を担っているものは「サクションホース」と呼ぶんです。

サクションホースは厚のかかり方が強いので、普通のホースよりさらに補強が必要。だから、サクションホースには「ワイヤー」も使われているというわけです。

製品の作り方、いかがでしたか?

製品が作られるところって、普段見ることができないので、楽しんでいただけたでしょうか? 

食べ物や飲み物の工場見学は、いろんなところで実施されていますが、DIY製品の工場見学って、なかなか一般の方が見られる機会はないのではと思います。

いいものマガジンでは、今後も「いろんな工場」に潜入してレポートしていきます。企業秘密の部分も多く、実際の写真などでお見せするのが難しいので、編集部員津村によるオリジナルイラストでお届けします! これからも、ぜひ楽しみにしていてくださいね。

チェーン作りも、小人ロボットで再現!

※この記事の内容は、2017年4月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。

2019.11.19
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