石膏ボードにねじを打つなら、アンカーはどれがおすすめ?若井産業さんに聞いてみた!
26
2021
Jul
「壁に棚を付けたいんだけど、うまくつかない…」
「時計をかけようと釘を打ったけれど、すぐに外れてしまう…」
その原因は、壁が「石膏ボード」だからです。実は住宅の壁や天井のほとんどは、石膏ボードでできています。その名のとおり石膏を主成分として作られており、非常に丈夫で耐火性や断熱性が高いという特徴があります。ただし、ねじや釘を打とうとすると石膏が崩れ、しっかり打つことができません。
そこで役立つのが「石膏ボード用のアンカー」です。石膏ボードにも、ねじや釘が打てるよう、あらかじめ穴を空けておく道具です。たとえば、エアコンを取り付けるときに使われる「ボードアンカー」。エアコンの設置は専門業者にお願いすることが多いですが、その際にも使われます。下穴を空けたり専用工具が必要だったりするので、一般の人が使うには少しハードルが高いかもしれません…。
でも安心してください。一般の方でも使いやすいボードアンカーもあるんです!
今回も「ねじ」と同様、和気産業のあらいもんとにピが、若井産業株式会社の福井さんに教えてもらいました。
ねじについて知りたい方はこちらもチェック
ねじを何となく選んでいる方は要チェック!
INDEX
ボードアンカーって何?どういう仕組みか教えて!
ボードアンカーって、ねじが打てない壁に穴を空けて、ねじを打てるようにするってことですよね。ちょっと仕組みが想像できません…。
あと、壁に穴を空けちゃうってことなので、勇気のいる作業のように思います。DIY初心者にもできますか?
一般的なボードアンカーは専用工具を使うので、少し難しいかもしれません。そこで開発したのが若井オリジナルの『らくらくボードアンカー』です。仕組みは同じなので、石膏ボードに実際に使うところを見ていただきながら、説明しますね。
表側と裏側で何が起きているか、チェックしてみてください。
え、これだけですか? 一旦外したねじをもう一度打ち込むことで、石膏ボードの壁にモノを取り付けることができるというわけですね。
はい、そうなんです。簡単でしょう?
表と裏、両方見せてもらったので、仕組みがよくわかりました。
石膏ボードの壁の向こうでは、爪が開いてガッチリ付くんですね~。
でもこれだと、このねじしか使えませんよね? それに表側も金具が結構目立つなぁ…。
そういう感想をもたれる方もいます。でも安心してください。好きなねじが使えるもの、施工あとが目立たない製品もたくさんあります。
「石膏ボード アンカー」で調べると、すごくたくさんヒットします。でも、多すぎて選びにくい…。
確かにそうですね。では、今おすすめしたいアンカーを2つピックアップしましょうか。
わぁ~ありがとうございます。福井さんは開発にも携わっていた方ですから、すごく説得力があります。よろしくお願いします!
ドライバー1本でOK、施工が目立たない『かべロック スケルトン』
まずは『かべロック スケルトン』です。
わぁ、透明なんですね。
透明なのも気になりますが、物自体が『らくらくボードアンカー』と比べて小さいし簡易的な道具に見えますが…。どうやって使うんですか?
これを石膏ボードの壁にねじ込んでいくだけです。
めちゃくちゃ簡単ですね! ここに好きなねじを打ち込めるなら、気軽に使えそう!
『かべロック』で調べると、樹脂製やダイキャスト製のものもあるようですが、どう違うんですか?
古くからあるのは、そのタイプです。スケルトンタイプは5年前くらいに登場したのですが、樹脂製やダイキャスト製とは違う良さがあるんです。
まず、樹脂製やダイキャスト製の『かべロック』では、使えるねじが4mmのみでした。しかし、スケルトンは3~6mmのねじまで使えるので汎用性が高くなっています。
それはいいですね。DIYでねじを使うときは見た目を重視したいという方もいると思うので、選択肢が増えるのはうれしいです。
スケルトンであること、フランジ(※)が小さいことから、施工後が目立たないというメリットもあります。
この写真を見てください。
左から「樹脂製」「ダイキャスト製」「スケルトン」です。同じ金具を取り付けている中で、「スケルトン」は一番目立たないでしょう?
※フランジとは円筒状の部品のこと。ねじの頭部分のフランジがスケルトンは小さく目立ちません。
確かに違います。この中なら私は断然スケルトン派です(笑)。
より強力に取り付けできる『アリゲーター』
さらに強力に取り付けできるのが『アリゲーター』です。
アリゲーター…ワニですか? なんだか強そうなネーミングですね。でも見た目はスマートですね。
そうなんです。見た目はスッキリしているでしょう?
『かべロック』はねじを入れる穴がありますが、『アリゲーター』にはありません。空洞が一切ないんです。
わ、ほんとだ! でも、どうやってねじを打つんですか? これだと、全然ワニっぽさがないです(笑)。
ワニっぽさは、ねじを打つときにわかりますよ(笑)。実際にやってみましょう。
イラストをご覧ください。まず下穴を空けて、アリゲーターを押し込みます。
ここまで準備できたら、次は3~5mmのお好きなねじを打ち込んでいきます。これも裏側をよく見ておいてくださいね。ねじを打ち込んでいくと、アリゲーターの先端が徐々に開いていきます。
わわ、すごい。こんなに開くんですね。確かにこれはワニの口っぽいですね!
裏側を比べると、『かべロック』よりも強力についているのがわかると思います。この『アリゲーター』は、まだ類似品のない、若井産業のオリジナル製品です。
いったんねじを取り付けて触らないような場所なら、『かべロック』で十分です。下穴を空ける必要もありませんし。でも、タオルかけなど、取り付け場所を何度も触るようなところは、『アリゲーター』が安心ですよ。
確かに、この2種類を知っておけば、石膏ボードの壁にも安心して物が取り付けられますね。2つのアンカーの違いをまとめてみますね。
下穴 | 施工時の違い | おすすめの施工場所 | 使用例 | |
---|---|---|---|---|
かべロック | 大きく空く | ドライバー1本でできる | 取り付け後、触らない場所 | 棚など |
アリゲーター | 比較的小さい | あらかじめ下穴を空ける必要がある | 取り付け後、頻繁に負荷がかかる場所 | タオルかけ 洋服や小物かけフックなど |
それぞれにメリットがあるので、どこに何の用途で使いたいかで選ぶといいんですね。
そうですね。アンカーはどちらにしても穴が空くので現状復帰は難しいです。賃貸の方はもちろん、持ち家の方もその特性を理解してご活用いただきたいです。
時計やカレンダーを吊すくらいでしたら、壁に下穴を空けずに使える道具もありますので、ご活用いただければと思います。
今回も、いろいろと教えていただきありがとうございました!
家で使ってみたくなりました。またやってみますね!
※この記事の内容は、2021年4月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。