DIYに正解はない!不器用代表・鈴木編集長と見つける、気負わず自由に楽しむヒント
23
2026
Sep
自分の好きなデザインで、置きたい場所にぴったりのサイズで作れる。そんな自由さがDIYの最大の魅力です。しかし、いざ挑戦してみると「木材がうまく選べない」「ビスが斜めに入ってしまう」「完成したら傾いていた」といった、思わぬ失敗に直面して心が折れそうになることも少なくありません。
簡単と書いてあるのに上手くいかないからといって、「みんなができることが、自分にはできない」と落ち込む必要はありません。器用でなくても、「つまずきやすいポイント」をあらかじめ知っておいて対処すると、満足いく仕上がりにつながります。
これまで数々のDIYに挑戦し、失敗を経験してきたいいものマガジンウェブ編集長の鈴木さんは、自他ともに認めるちょっと不器用。そこで今回は、不器用代表の鈴木さんのリアルな失敗談への対処法をDIY上級者のつむゴさんから教えてもらいました。DIY初心者も不器用さんもあきらめずに挑戦してみてください。
INDEX
購入時こそ慎重に!失敗しない材料選びのコツ

DIYするときって、金具や木材を揃えるところから難しいですよね。
この前『ピラシェル』で棚を作ったときは、間違えて右用の金具ばかり頼んでしまったり、軽くて作業しやすそうな木材を選んだら、付属のビスが飛び出てしまったり、「どうしてこうなるの?」と思うことがたくさんありました。

板の選び方は難しいですよね…。対処法としておすすめなのが、取り付けたい金物と付属のビスをお店に持っていくことです。売り場の板に現物をあててみれば、奥行きが合うか、厚みが足りるかが一目でわかります!


なんとなくいけるだろうで選ぶより、現物と並べて見るほうが自信をもって選べますね。

慣れないうちは1×4材や2×4材を選んでおけば間違いありません。
どこのホームセンターでも売っていて、サイズも豊富で、SPFやホワイトウッドといった扱いやすい針葉樹が原料なので、加工しやすいです。『ピラシェル』や『ウォリスト』、『ウォリストワン』など、1×4材や2×4材を使うことを想定して作られた商品も多いです。

ホームセンターで2×4材のところにSPFと書かれているのを見かけます。木材の種類ですか?

SPFはマツ科トウヒ属のスプルス、マツ科マツ属のパイン、マツ科モミ属のファーの頭文字からきています。性質が似ているので、ひとくくりにされていますが、白色から淡黄色まであるので、色味を揃えたい場合はまとめて購入しておくといいですね。

1×4材や2×4材は長い状態で売られていますよね。曲がっていないか心配なんですが、どうやって確認したらいいんでしょう?

横向きに販売されている場合はちょっと持ちあげて、小口(木材の端)から片目でのぞき込むと曲がっているかどうか確認できます。長い木の場合は縦に陳列されていることも多いですが、その場合はスマホの内カメで確認する方法がおすすめです。


スマホで確認できるなんて!
目が悪くて、片目でのぞき込む方法だとよくわからなかったんです。

木の下にスマホを近づけて、木の上まで画面に映るようにします。その状態でラインが歪んでいたら、反ったりねじれたりしているということです。縦向きに並んでいる木を下からのぞき込んだり、抜き出して傾けるのは大変ですが、内カメだとラクに確認できます。


なるほど!自分の目より信用できそうです(笑)。

長い木を購入した場合は、カットサービスも使ってみてください。カットサービスを利用するときのポイントは「事前にカット寸法を図面に起こしておくこと」「余裕をもった長さで計算すること」です。


お店によっては店員さんに切ってほしい長さを伝える用の紙が置いてあることもありますよね。自分で書いていってもいいんですね!

持っていくことをおすすめします。その場で書くと慌てて間違えてしまうこともあるので、お家で考えて書いたものを持っていってみてください。カットに使うパネルソーの刃は厚いので、カットする回数分だけ木材が削れて短くなります。その分を見越して、ぴったりではなく、余裕をもった取り数にしておきましょう。


取り数というのはなんですか?

一本の木からほしい長さが何本取れるかの数字です。1×4材や2×4材は3フィート(約910mm)・6フィート(約1820mm)・8フィート(約2430mm)など、決まった長さで販売されることが多いので、目的に合わせてカット寸法を図にしてみてください。

ほしい長さと買いたい木を決めて買い物にいくと、お店で迷わずにすみそうです!
不器用をカバーするのは道具とシミュレーション

この前DIYしたとき、最初は家にある古いキリを使いました。でも、錆びているし、握りにくかったので、思い切って新調したんです。ホームセンターに行って、実際に触りながら握りやすいものを選んだら、とても作業しやすくなりました。


古い道具は劣化して、精度が悪くなってしまっていることもあるので、使いやすい道具を揃えるのは大切です。家族の道具も手の大きさや力の強さが違うと、使いにくいこともあるので、自分用を準備できるといいですね。

自分用で買うと、モチベーションも上がってよかったです。
キリは下穴あけに使っています。電動ドライバも持っているんですが、一気に穴があいてしまうので、斜めになってしまったり、貫通してしまったりしそうで…。

スピードがあると怖いですよね。自分のペースで進められるキリを使うのは、いい対処法だと思います。下穴はビスが斜めに入ったり、木割れするのを防ぐために有効ですが、下穴自体が上手くいかないと、ビスもうまく入らないですから。

よかったです。キリを選ぶときは、店頭でAIに画像を送って相談しながら、これを選びました。


先端が三角になっている三つ目錐ですね。下穴あけに最適で、いい選択です!
下穴をあけたあとは組み立てをはじめると思いますが、そのときにおすすめなのが作業工程をシミュレーションしておくこと。完成までの手順を脳内でイメージしておくと、効率よく作業できます。

DIYが得意な人って、使うビスを容器に小分けにして使いやすくしたり、脚立を事前に準備していたり、効率がいいと思っていましたが、シミュレーションから必要なものを想像していたんですね。


そうなんです。あとはDIYに取り組む環境も整えておくと作業しやすいです。明るい場所・広いスペース・作業しやすい高さを確保すると、ミスやケガを防いでくれます。

暗くて狭い場所でDIYしたから、釘を落としたり、曲がったりと散々だったんですよ。狭いのは場所によってどうしようもないこともありますが、明るさは調整できるので意識してみます。

作業の順番も事前にシミュレーションしておいてください。塗装をする場合はカット・塗装・組み立ての順番です。この順番だと隅まで色が塗れるし、金具に塗料がつくことがないので作品の完成度も上がります。
知っておけば怖くない!リカバリー術と裏技

材料と道具をしっかり揃えても、やっぱり失敗してしまうこともありますよね。下穴をあけたのに、ビスの位置がずれてしまったり、木が割れてしまったり…。

それは私もよくありますよ!穴はつまようじや木くずでふさげば大丈夫ですし、木割れは接着剤で接着して対処しています。


つまようじで穴を埋めるんですか?

間違えて打ったビスを抜いて、あいた穴につまようじを差し込んで飛び出たところを折るだけです。もっと目立たないようにしたい場合はパテなどを使って埋めることもできます。失敗しても、どうにかなるので、気負わず挑戦してみてください!


心強いです!あとは木材をたくさん使うとどれがどこの板だったかわからなくなるんですよね。棚受に取り付けるために、ひっくり返すともうどれがどれだか。

それはマスキングテープを貼ってメモしておくといいですよ。「上段手前」みたいに位置を書いておけば、わからなくなってもメモを見て元の位置に戻せます。


マステにはそんな活用方法もあるんですね。
マステといえば、『ピラシェル』の棚柱を壁に取り付けるとき、先にマスキングテープを貼って、水平器で垂直を出したのに、何回見ても曲がっている気がして…。そういうときに確認する方法ってありませんか?

垂直は重力を使って確認するとわかりやすいです。5円玉や50円玉など穴があいている硬貨を結んだ長いひもを準備して、ひもの先端を壁にマスキングテープで貼って垂らして、硬貨の揺れが止まった位置が垂直です。身近なもので作れるので、水平器がないときにも便利です。


見た目的にもわかりやすくていいですね。
どうにかする方法を知って、だんだんやる気が出てきました!
DIYに正解はない!自分のペースで取り組もう

説明書を読んで、準備もしているつもりなのに、毎回うまくいかないのは自分が不器用だからなんだとあきらめていました。説明書には書いていない準備や工夫、環境づくりをすることでつまずくポイントを減らすことが大切なんですね。

そうですね。でも、人によって得意なことも違えば、やりやすい方法も違うので、これが絶対とは言い切れません。全て取り入れる必要はありませんが、やってみていいと思ったことはどんどん取り入れてもらえればと思います。

人によって違うというのは念頭に置いておきたいですね。これまでの失敗の経験から、簡単と書いてあることも舐めてかかってはダメだと学びました。

SNSや動画を見ると、すごいDIY作品が出てきて圧倒されてしまいますが、誰から見ても完璧を目指すのではなく、自分に合うものを目指す気持ちでいいんです。多少のズレや失敗のあとも、自分で作ったからこそですし、工程も含めて楽しめるのがDIYのいいところですから。

出来合いの既製品をお惣菜だとすると、DIYで作る家具はミールキットのようですね。お惣菜ももちろんいいけど、ちょっとこだわりたいならミールキットを選ぶみたいに、自分で作ったからこその良さを見出せると、ちょっと失敗したとしても「これも私らしさだ」と思えるのかもしれません。

DIYは正解がないからこそ楽しいので、そんなふうに考えるのはとてもいいと思います。肉じゃがの材料でカレーを作ったっていいんですから。気負わず自由に作ってみてください。

自分のペースで作ればいいんですね。次のDIYが楽しみになってきました。
※この記事の内容は、2026年6月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。








