両面テープの実力を発揮するために必要な「3W1Hの法則」とは?
08
2020
Aug
何かをくっつけたいときに、扱いやすくて便利な両面テープ。
でも両面テープは、「接着剤より弱い」「すぐに剥がれてしまう」というイメージをおもちの方も多いのではないでしょうか?
もしかするとそれ、選び方を間違っていることが原因かもしれません。
意外と種類の多い両面テープ。今回は謎のDIYアドバイザーMr.DIYに両面テープの上手な選び方を教えてもらいます。
INDEX
接着剤と粘着剤の違いってなに?
「接着」とは2つのモノ(素材)が接着剤を介して結合した状態のことをいいます。
両面テープも2つのモノをくっつけることができますが、接着剤ではなく「粘着剤」というんですよ。
両面テープはくっつくのに「結合した状態ではない」ということですか?
そうです。くっつき方が違うんですよ。
この説明をする前に、接着のメカニズムを思い出してください。左の「ぬれて」いない状態はくっついておらず、右の「ぬれて」いる状態がくっついているということになります。
この、「ぬれ」というのは接着用語でしたね。ぬれない素材はくっつきにくいという。
そのとおりです。この説明を踏まえた上で、下の図「粘着剤」と「接着剤」のくっつき方をみてください。
接着剤は、最初はぬれている液体の状態のものが固まり、強い接着となります。
粘着剤は、液体と固体両方の性質をもっていて、常にぬれた状態を保ったままくっついています。だからモノによっては、はがすことも可能というわけです。
こうして比べてみると違いがわかりやすいですね!
両面テープが選ばれる理由“3つの強み”
両面テープと接着剤、それぞれに良さはあると思うのですが、両面テープの強みって何でしょう?
それはなんといってもこちらの3つです。
1.ムラがない
接着剤の場合、「均一に塗れているか」「乾燥時間が適切か」など、使用する人にある程度の知識があるかないかで仕上がりに差がでます。しかし粘着剤の場合は、誰が使っても同じで、出来上がりにムラがでません。
2.すぐにつく
接着剤のように、乾燥させるために貼った後しばらく時間を置くなどの必要がなく、直後からしっかりくっつくので、接着作業時間が短縮できます。
3.無公害で環境に優しい
有機溶剤を含まないので、大気汚染や住環境汚染の心配がありません。そのため建築用に利用することも可能です。ただしクリープ現象(荷重がかかった状態で放置すると、時間とともに製品の変形が進行していく)が起こりやすく、接着剤に比べると接着強度は弱くなる場合もあります。
なるほど、初心者でも扱いやすく、環境にも優しいということですね!
基材が大事!両面テープの構造と種類
両面テープが扱いやすいのはわかったんですが、結構種類が多いですよね。どう選べばいいですか?
選び方はとても重要です。両面テープは「用途に合ったもの」を選ばないと、接着がうまくいかない場合があります。
まずは構造と種類を理解しましょう。
一般的な両面テープは「粘着剤」と「基材」からできています。
そして、「粘着剤」と「基材」には、それぞれ大きく4つの種類があります。
種類① | 種類② | 種類③ | 種類④ | |
---|---|---|---|---|
粘着剤 | ゴム系 | ウレタン系 | アクリル系 | シリコン系 |
基材 | 不織布 | プラスチック | 発泡体 | アクリル |
必ずしも、種類①同士の組み合わせというわけではなく、粘着剤②ウレタン系と基剤③発泡体など、さまざまな組み合わせが考えられます。
両面テープを上手に選ぶ!3W1Hの法則とは?
この組み合わせを覚えて、自分で両面テープを選ぶというのは、難しそうですね(汗)。
そうですよね。
そこで、上手に選ぶための4つのチェックポイント「3W1H」を表にしてご紹介します!
(表をクリックすると別タブで開きます)
この表があれば、私にも選べそうです!
しっかりと用途に合うものを選んで、DIYを楽しんでくださいね!
正しく選ぶ基準に3W1Hを!
選び方さえ間違えなければ、接着剤より扱いやすく安全な両面テープ。
もしも、「接着剤より弱い」「すぐにはがれる」という印象をお持ちだった方は選び方を間違っていたのかもしれません。
正しく選ぶ基準として今回ご紹介した3W1Hの表をぜひご活用くださいね。
※この記事の内容は、2016年8月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。