NCC株式会社は主にめっき製品を取り扱っています。

『KEEP FINE』シリーズは抗菌めっきを施した製品なんですよ。

細菌が繁殖するのを防ぐめっきのことです。

これまでは「銀」や「銅」をめっきすることで、抗菌力をアップしてきました。

しかし銀や銅は値段が高く、製品が広く普及しなかったんですよ。

はい、「ニッケル」です。

株式会社神戸製鋼所が開発した、特殊ニッケル合金めっき技術 “KENIFINE（ケニファイン）”は抗菌性の高さはもちろん、銀や銅にはない防カビ性も兼ね備えた、素晴らしい技術でした。

抗菌の定義は「24時間以内に菌が100分の1以下になる」ことですが、なんと “KENIFINE” は、たった4時間で菌を100分の1以下にするという技術力なんです。

さらに持続性も高く、市販の抗菌ステンレスや抗菌塗装では数カ月で菌が突発的に増加したのに対し、 “KENIFINE”は約1年間安定して菌が抑制されたという結果も出ています。もう、これしかないと思いましたね。

もともと、めっきの技術で何か新しいことが生み出せないかと模索していたんです。

そんな時に “KENIFINE”を知り、その技術のすごさに感動しました。

気がつくと、神戸製鋼に向かっていましたね（笑）。

神戸製鋼で “KENIFINE”の詳しい話を聞き、そのまま、ほぼ即決で技術提携をしました。

この技術を使えば、世の中の「ヌメり」で困っているみなさんを助けることができると確信し、まずはお風呂の排水口カバーに抗菌めっきを施してみたんです。

いえ、それが排水口カバーをお風呂で使用してみたところ、予想外の問題が発生したんです。

抗菌力は予想どおり、いやそれ以上の結果だったのですが、使っているうちに変色し始めてしまったのです。

これでは、消費者に安心して使ってもらえない…。

お風呂が成功すればキッチンのヌメりも解決したいと考えていたのでショックでした。

この問題に向き合い試行錯誤した結果、抗菌めっきした後、さらに高耐性のめっきをすることで変色しにくくなることがわかりました。

もちろん抗菌効果が落ちることもありません。

はい。これによって、「抗菌排水口ゴミ受け」「抗菌排水口カバー」「抗菌ヘアキャッチャー」といった『KEEP FINE』シリーズを生み出すことができました。

元々はキッチンの排水口カバーを小さくしたような形からスタートしました。より多くの方に使ってもらえるよう、汎用性の高い今の形を考え出したんです。

この「抗菌ヘアキャッチャー」は、プラスチック（ ABS樹脂）でできているんですよ。

プラスチックにめっきをするのは一般的ですが、プラスチックに抗菌めっきをしている会社はほとんどないはずです。