DIYレポート
大切なものをDIYで守る

DIYの可能性は無限大!?「大切なもの」をこんな形で守ります!

31

2019

Aug

「DIY」と聞くと、家具などのものづくり、リフォーム、壊れたものの補修などを思い浮かべますが、それだけじゃありません。

DIYは大切なものを守ることもできるんです!

今回は、ホームセンターで手に入る材料を使い、お子さんのためにキーケースを作った池村さんと、馬が足を傷めないように工夫した甲南大学の馬術部のみなさんをご紹介します。

DIYで子どもを守る!反射クロス付きキーケースで夜道も安心

まずご紹介するのは、いいものマガジンのレポーター・池村さん。

いつもDIYを楽しんでいる池村さんは、実は裁縫も得意。衣類や布製品に取り付けられる『反射クロス』を使ってお子さんを守る「反射クロスつきキーケース」を作られました。

ランドセルに付けられた「反射クロスつきキーケース」

ランドセルに取り付けて使うと、反射クロスが車のライトなどを明るく反射。夜の暗闇だけでなく、薄暗くなった夕方の道でも安全サインとして活躍します。

POINT

DIYをする上でのポイントは、反射クロスが正面に来るようにすること。車などからの視認性が高まりますよ。

反射クロスの取り付け方は、アイロンを上から押し当てるだけ! 面倒な作業もなく5分程度で接着できます。

反射クロスをアイロンで接着しているところ

アイロンだけだと不安という場合は、家庭用ミシンで縫い付けられるタイプを使うのもおすすめ。

ミシンでジッパーを縫い付ける様子
ミシンでもスムーズに縫える

ただ、一度間違えて糸をほどくと反射クロスの材質上、針の穴が目立ってしまうそう。池村さんでも3回失敗してしまったそうなのでご注意を!

池村さんが今回のDIYで少し残念に感じたのは、反射クロスの色がシルバーのみだったこと。シルバーは目立つので安全対策としては一番適した色ではあるのですが、デザイン的にはちょっと地味。

「薄いピンクや水色などのパステルカラーがあればもっと色んな場所に使えるのにな~」とのことで、和気産業に確認したところ以下のような回答がきましたので、ご紹介しますね。

和気産業より「反射材のカラーについて回答」

少し前までは、シルバー色がほとんどでした。和気産業では黒い布製も発売を始めましたが、店頭ではそれ以外の色を見かけません。理由は売れ筋がシルバーだから。他の色は需要がほとんどありませんでした。

最近は印刷技術が進み、反射布にデザイン柄をプリントすることもできるようになりました。布製反射材を使う人が増えていけば、色や柄のラインナップも揃っていくでしょう。

反射についてもっと知りたい方はこちらをどうぞ

2つめの紹介はガラリと変わって、馬の厩舎です。さて、どんなDIYが飛び出すのでしょうか?

吸音材が馬を守る?馬術部がたどり着いた意外なDIY

今回お邪魔したのは、甲南大学馬術部です。附属中学の生徒から大学生まで、幅広い世代が所属する馬術部は創部66年目。

「大事な馬を守るためにDIYをした場所があるんです」と主将の安田さんが案内してくれたのは馬が暮らす厩舎でした。

馬たちの厩舎

フカフカのおがくずが敷き詰められた厩舎内はニオイもなく清潔!
よく手入れされた毛並みの良い馬たちが、厩舎の個室でくつろいでいます。

そんな厩舎の中に、ビスで板が打ち付けてある壁を発見。

「実はこれがDIYの理由でして」そう言って安田さんが外してくれた板の奥を見てびっくり! 壁に大きな穴が開いて向こう側が見えています。

壁に大きな穴が開いている様子

理由はわかりませんが、馬には壁を蹴る習性があるそうで、薄い板だと簡単に穴が開いてしまうのだとか。

厩舎が傷むだけでなく、蹴ったときの衝撃は馬が足を痛める原因にもなってしまいます。

馬の後ろ姿

そこで甲南大学馬術部のみなさんがDIYに使ったのが『QonPET(キューオンペット)』

  • ポリエステル不織布でできた厚さ35ミリのシート
  • 耐候性や耐久性など多くの面で、安価なウレタンフォームよりも優れている
  • 断熱材としても使用が可能

主に音楽を聞く場所や騒音のする工場などで使われる吸音材ですが、安田さんたちはその厚み・弾力性・耐候性に注目しました。

厚さ35ミリ、裏面が粘着シート

『QonPET』はポリエステル不織布でできた厚み35ミリのシート。耐候性・耐久性など多くの面で安価なウレタンフォームよりも優れており、断熱材としても使用が可能です。

そして、裏面が粘着シートになっているので施工も簡単。1820ミリ×910ミリと大きなシートなので二人がかりの作業にはなりますが、壁まで運んで丁寧に貼り付けるだけ。大きくても軽いので作業も楽です。

他の馬術部などでは古くなった畳で壁を保護することもあるそうですが、甲南大学馬術部では見た目のことも考えて『QonPET』を採用しているのだそう。

DIY商品が意外な使われ方で大切な馬を守るのに役立っていました。

『QonPET』を厩舎に設置している人たち

そしてもう一点、『QonPET』にはちょっと変わった役目があることを安田さんが教えてくれましたよ。

いくら厚みがあるといっても、馬の強い力で蹴り続けられると『QonPET』も破れて中の繊維が出てきてしまいます。すると馬はおもしろがってどんどん引っ張り出すのだそうです。

繊維がひっぱり出された『QonPET』

馬の知能は人間でいうと3歳児くらい。ティッシュペーパーを箱から引き出して、まるで子どものように遊ぶんですって。

貴重な練習時間の合間に、丁寧に案内してくださった馬術部の皆様に感謝いたします。キレイに掃除された厩舎からは、馬を大切に思う学生さんたちの様子が伝わりました。このたびは、ほんとうにありがとうございました!

大切なものを守るために!DIYができること

今回、池村さんと甲南大学の馬術部のみなさんの話を聞いて、DIYの奥深さを改めて感じることができました。「Do it Yourself(自身でやる)」。その精神とアイディアさえあれば、修理やものづくりだけでなく、大切なものを守ることもできるんですね。

そして、意外な場所で、お子さんを守るため、馬を守るためと任務をまっとうしていたDIYを知り、ちょっぴり誇らしい気持ちにもなりました。

みなさんも、さまざまなアイディアを駆使して「大切なものを守るDIY」にもチャレンジしてみませんか?

※この記事の内容は、2018年6月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。

2019.08.31
DIYレポート